あらすじ

ありかつあらぬ――などという矛盾した様態は、本来的に成立しえない。

ならばこの望むと望まざるとが混じり合った思わくは、何も望んでいないに等しい。

本当の想いなどどこにもない。

ただ蠢いているだけ。

時折、光明に手を伸ばしてみるも、やがてまた、光など眩しいだけだと闇に帰る。

その繰り返し……

――私の夢は、この悪い夢から醒めること。