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〔アイオワ州グライムス グレゴリオ暦2061年9月22日 10:04 a.m. -6〕
雨の中、シャイニングは走った。
核が降ると叫びながら。
兵士たちは必死に彼を追ったが、誰も追いつくことはできなかった。
彼らの目には、シャイニングの身体がかすかに緑色の光を帯びているように映った。
市民たちは叫ぶシャイニングと、それを追う兵士たちの形相から、即座に切迫した雰囲気を感じ取った。
誰も彼を狂人だとは思わなかった。
『戻れ』
追手にデイヴからの通信が入る。
「しかし……」
『離陸に間に合わなくなるぞ』
ハッとし、立ち止まる。
「……分かりました」